雪乃が、次はどこまわろうかと私の持っているしおりを覗き込む。

「返事は期待してるわけじゃないの」

唐突にそう私に告げた。

「あたしの気持ちがまだ先輩に向いてるんだよって。
わかってるかもしれないけど、伝えとこうって思ってて」




何を言えば、最善の答えになるのか探している途中で、
「ここ行ってみよう!」と3-Bの催している教室を指差した。





そのまま答えが見つからず、3-Bの教室へ着いた。
"BAR STAR”

扉を開くと、中は薄暗く、なんともいえない雰囲気を作り出していた。
お酒を飲めるようになったら、こんなおしゃれなBARに行ってみたいと思うほど
品が漂う素敵な場所だった。



「いらっしゃいませ、2名様ですか?」



黒いYシャツを少しはだけて着こなし、腰から同じく黒の長めのエプロン。
私たちにはまだ早いかも、と出ようかなと足の向きを変えようとしたところで、

「はい、そうです」

と雪乃が答えた。