先輩はいつも通りだった気がする。

教室を出たところで、
「ねえ、なにしたの?」

と雪乃のスカートの裾をつまむ。

雪乃の顔は真っ赤で、丁寧に乗っけていたチークと同じくらいの色までになっていた。


「やばい!!綾香!!渡しちゃった!!!」

え?・・・もしや。

「こい・・ぶみ?」

「そう、ラブレター!!いまどき!!」

丁寧に英訳で返してきた。
てかそんなことではなく、

「私、聞いてないけど・・」

いやそんなことでもなく、

「よく・・やったね」

と、雪乃の頭を撫でた。
コクコクと頷く雪乃は、やっぱり恋する雪乃で。

「ごめん、突然こんな。いつも渡せるように持ってたの」

またそんなかわいらしい乙女な部分を見せつけられ。




さらに、私も恋をしたくなった。








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