穴が空いていたことに気付いたのは数分前。 彼がトイレに行ったときだった。 辺りを見回して、たまたま立ってみたのだ。 彼の部屋の本棚をちらっと見た時点であたしはまだ「それ」に気付いていない。 なんの異常もなく、座ろうとした瞬間。 見えた。あたしの皮膚が、靴下から。