それが今では頭1つ分彼の方が高く、体付きも男性っぽくなった。

その成長が目まぐるしくて、見ていて飽きなかったけど…。

「良いんだよ、マーキングのつもりだから」

「アタシは電信柱か! いいから離れてよ! ホントに汗臭いんだから」

後ろ髪を引っつかんで、引っ張る。

「いででっ。髪の毛、ひっぱんなよ」

「自業自得よ!」

顔を寄せて怒鳴ると、彼は一瞬顔をしかめる。

だけどすぐに笑顔になる。

この笑顔は…マズイ。

髪を掴んでいる腕と、腰を掴まれ、引き寄せられる。

近付く唇と、彼の吐息に目眩がする。