どうやって逃げる?
焦りながらあたしは考えを巡らせた。
駄目だ、隙は狙えない。あたしは男の足元にいるんだから。
不意を突くには…
「…」
あおいは顔を顰た。
「…誘拐犯さん。この屋敷はFBIがいるのよ。すぐにあなたを見つけて…」
「何だって?」
男は吹き出した。
馬鹿。あたし。
でも、やっと少しだけ落ち着いてきた。
それで一つ気付いた。
「あなた、日本語が上手いのね」
男は黙った。
「日本人なの?」
あたしは隠させた暗黒の顔を見据えた。
男は後ずさった。
動揺している。
何故だか分からないけど
勝った…?
しかし男はあたしの耳元に顔を近づけ、脅すように囁いた。あたしは息を止めた。
「…このことは誰にも言うな。でないと、お前の大切な人を地獄に突き落とす」
そしてこの場を去った。

