柊平と楽しく会話を交わしながら、あっという間に旅館に到着した。 本当、柊平と一緒だと時間の流れが早く感じちゃう…。 「紅葉も旅館も、綺麗だな。」 柊平は先に降りると、いつものように助手席のドアを開けて手を差し伸べてくれた。 「うん、本当に綺麗だね。」 柊平の手に、私はそっと手をのせる。 「幸歩、急ぐぞ!」 「えっ?」 旅館前にあるモミジをのんびり見ながら中に入ろうと思ってたのに… いきなりどうしたの…?