ちょ…何ため息ついてんのよ!
一番ため息をつきたいのは、あたしだっての!!
そう視線で語るあたしは、そんなに分かりやすいのか。
真剣な目をした貞永が、少し顔を歪ませて話し出した。
「あゆ、言いたい事があるんじゃねぇの?」
「え…?」
「最近のあゆは何かを考えてる様子だったからな。…だから今日、その事を聞き出す為に、ここに呼び出した」
貞永の言葉を聞いた瞬間、なんだか心が温まっていく気がした。
もしかして貞永は…
あたしの心の中で生じていた、少しの変化を感じ取っていてくれた?
だから、昨日の帰り際、あんなに落ち込んでいたの?
もしそうなら、嬉しい。
どうしようもなく、胸が熱いよ。
さっきまでの貞永への怒りなど忘れ、あたしは全てを話す決心をした。
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