秘密の★オトナのお勉強②




力任せにハンドルを握るあたし。


その目は、獣を捕まえるハンターのように鋭くて。



…今まで遠慮してきた自分が、バカみたいに思えてきた。

貞永の事で悩んでいた時間を返せっ…!




治まる事のない怒りを抱えていると、車はあっという間に貞永の自宅マンションへと到着した。


急いで車から降りると、ちょうどエントランスに到着していたエレベーターに乗り込む。


階数が増えていくエレベーター内の液晶を見つめながら、あたしはそっと胸を押さえた。




チーンという無機質な機械音が、エレベーター内に鳴り響く。


それは、目的の階に到着したという事を意味していて。



扉が開くと同時に、あたしは前を向く。



そこには―――




「たく、どこまで俺に迷惑かけさせる気なんだよ、あゆは」



「貞永…」




エレベーター乗り場の近くの柱に身体を預けている、貞永がいた。




.