秘密の★オトナのお勉強②




あたしが貞永の仕事場に着いた時には、既に今日の貞永の出番は終わってしまっていたらしく。




「貞永くんなら、自力で帰っていったよ?」



「は…?」




あたしは、洋画の吹き替えのスタッフにそう告げられ、その場に立ち尽くす。


と同時に、言葉に言い表せない程の感情が、あたしの身体中を覆い始めた。




「ありがとうございます」



「いえいえ、貞永くんのマネージャーさん…って、ちょっと!?」




スタッフの人が言葉を詰まらせるほど、あたしは強烈な顔をしているのだろうか。


だけど、この煮えたぎる思いは、どうする事も出来ない。



…ふざけんな。

話があると言いながら、勝手に一人だけ帰りやがって!!




「…待ってろよ、貞永光輝!」




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