上機嫌のままハッピードリームを後にしたあたしは、鼻唄を歌いながら車を運転する。
「あははー!新人よ、この中森あゆを見習えたまえーっ…!!」
そりゃもう、通行人がドン引きする程に激しいリアクションを取りながら。
でも、それほどに小西さんの言葉は、あたしに力を与えてくれて。
…これから始まる、貞永との話し合い。
ハッキリと、自分の言いたい事をぶつけられる気がした。
冷静に考えてみると、蘭の意見は正しい。
あたし達は、離れていた二年間の間で、意見を言うという行動を忘れてしまっていた。
だから、現時点ですれ違いが起きているんだ。
「貞永は別れ話をするかもしれないけど、絶対に考え直させるんだから!」
そう意気込むと、車のスピードを上げて、貞永の元へと向かった。
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