「あゆはどう思う?」
「…い、いいと思うよ!そういう系の仕事のオファーも取り付けてみるねっ…!」
胸の苦しさと反比例するように出てくるのは、応援の言葉。
結局は自分の意見を言えていないあたしは、いつまで経っても苦しむだけなのに。
こういう時、相手の事を最優先で考えてしまう自分の性格を、少しだけ恨みたくなる。
「…少しでもいいから、時間が欲しいよ」
「ん…?」
「な…なんでもないから!さ、次の仕事が待ってるよ!早く行かないと…!」
「あ…あゆ?」
戸惑う貞永を無理矢理連れ出したあたしは、落ち着きを取り戻すようにゆっくりと呼吸を繰り返す。
そして、心に決めた。
貞永を温かく見守るんだって―――
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