小西さんは仕事の都合上、今日は結婚式に来れないらしい。


神風さんも、あたしにプレゼントを渡した直後に帰ってしまったから、きっと忙しいんだろうな。


あたしと光輝の両親も会場に到着し、式に招待したメンバーは全員揃った。




「そろそろ時間ですので、新郎と新婦は入場の準備をお願いします」




式場の係員が苦笑いを浮かべながら、あたし達を出入り口へと誘導する。


…相当、あたし達は元気が有り余っている、迷惑な夫婦らしい。

ま、これくらいしないと、「貞永夫婦」の名が腐るよね。




「あ、あゆ」



「どうしたの?」



「式前にひとつ言っておきたい事がある」




入場前という大事な時間に、光輝はいきなりこんな事を言い出す。


何?という言葉の代わりに耳を近づけると、そっと耳元で、光輝らしい言葉を囁かれた。




「これからも、俺はあゆにオトナのお勉強をたくさん教えてやっから。

―――覚悟しろよ?」





Dreamlike happiness to you!