みんなに誘導されるように、あたしは緊張でふらつく足を動かしながら、貞永の元へと向かう。


会見場を出て、関係者立ち入り禁止の廊下に突入すると、神風さんの怒鳴り声が、あたしの耳に突き刺さってきた。




「さっきの会見はどういう事だ、貞永!」



「真実を述べたまでです。あゆとの関係も、嘘を言った訳ではありません」




怒っている。

神風さんが、貞永に対して怒鳴っている―――


ビクビクしているあたしの身体を、咄嗟に菊池が支えてくれた。




「き…くち…」



「大丈夫です、何かあっても、俺達が中森サンを守りますから」




どうして、あたし達の周りに居る人達は、こんなにも優しいんだろう。


神風さんが見えないように、あたしの前に立ってくれるみんなに、あたしを支えてくれる菊池。


本当に、感謝しきれないよ。




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