「俺達は、絶対に別れません。例え、事務所を解雇されようが、世間からどんなに批判を浴びようが」



「貞永…」




神風さんは、貞永の決意に押されて、何も言えなくなっている。


そんな神風さんの動揺ぶりを確認した貞永は、再びマスコミに視線を向けると、最上級の笑みを浮かべた。




「これが、週刊誌の報道の真実です。どうかこれからも、俺達を温かい目で見守ってくださると嬉しいです」




貞永の一言に、再び会場中がフラッシュの嵐となる。


深々とお辞儀をした貞永は、神風さんと一度も視線を合わせないまま、会見場を後にした。




「ビックリしたでしょ、あゆ」



「蘭…」




動かない、いや、動けないあたしを、蘭が優しく抱きしめてくれる。



貞永の想いの深さに…

あたしは一滴、涙を流した。




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