―――この会見は、熱愛を否定する為に開かれたモノ。
そう自分の胸に言い聞かせているはずなのに、やっぱりどこか自分の無力さに腹が立って。
あたしにもう少し力があったら、こんな展開にはならずに済んだのかな…?
追い詰められていくあたしの気持ちを無視するように、マスコミは貞永に「本当ですか?」などと質問を投げかける。
だけど、貞永はその質問に、一切答える事は無かった。
「今皆様にお話した事が、今回の報道の真実です。あのマネージャーとは何の関係はありませんし、今は別のマネージャーが俺のサポートをしてくれています」
どこか、最初から仕込まれていたセリフみたいだな、と思いつつ、あたしは貞永をジッと見つめ続ける。
貞永の作戦は、この言い訳の事だったのかな…?
視界に、神風さんが満足したような表情を浮かべ、パイプイスから立ち上がる様子が映し出される。
会見をお開きにしようと、神風さんの口が少しずつ開いていった時だった。
「―――と言えば満足ですか?神風さん?」
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