「それに、くよくよしてる姿は、あゆには似合わないしね」と付け足した冬馬は、ゆっくりと車のエンジンを切り、鍵を抜いていく。
その動作を、あたしはスローモーションのように感じながら見ていた。
「それに、俺達もあゆの為に、貞永くんの作戦に参加しなきゃいけないしね」
「へ…?」
今、何て言った?冬馬達が、貞永の作戦に参加する…?
二日前に電話で貞永と話した時、貞永は何かを企んでいた。
その作戦を、冬馬達は知っている―――?
「神風さんに反抗するには、弱点を突かないとな」
「どういう反応をするか、想像するだけで愉快だわ」
冬馬に続いて、猛と蘭も意味深な発言をしていく。
なんだか仲間ハズレにされている気分で、少し悔しくなった。
.

