「他の芸能事務所は、恋愛に対してそんなに厳しくはないけど、ハッピードリームは特別なんだよ。…特に、貞永くんのような、今が旬の芸能人には、尚更」
神風さんの方針が目に浮かび、あたしは思わず身震いをする。
「ま、雪村くんはスキャンダルの起こし過ぎで、最早論外なんだろうけどね」
「…確かに、隼人はもう神の領域だもんね…」
「だけど、何も恐れる事なんてないよ」
「え…?」
「だって、あゆには背中を押してくれる、たくさんの仲間が居るんだから」
そんな冬馬の言葉に、あたしの涙腺が刺激される。
あたしには、仲間が居るんだ。
たくさんの…素敵な人達が。
「その仲間を信じて、あゆは突き進めばいいよ」
.

