秘密の★オトナのお勉強②




怖い。

とてつもなく、今から起こる出来事が、怖い―――




「あゆ、聞いて?」



「冬馬…?」




すっかり黙り込んでしまったあたしをなだめるように、運転席に座っている冬馬が、後部座席に顔を向ける。


不安で顔をいっぱいにさせるあたしに焦点を合わせると、優しく話し出した。




「確かに神風さんは、会社の利益を一番に考える人。貞永くんの仕事の妨害をする人には、容赦なく攻撃してくる」



「だから今回、貞永に報道の否定をするように仕向けたんでしょ…?」



「そう。貞永くんのイメージ崩壊により、ハッピードリームの収入激減を恐れた神風さんは、人を想う気持ちよりも、会社の運営を取ったんだ」




人を想う気持ちも大切だけど、神風さんは、それ以上に会社の利益の方が大事だと考えている。


そんな考えを持っている人だから、あんなにあたしに酷くあたってきたんだ―――




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