結局、猛のバンド「Truth」のスタッフ・キャサリンとして、ハッピードリームに乗り込む事になってしまったあたし。
車は既にハッピードリームの地下駐車場へと到着しており、後はあたしの準備だけ、といった所だ。
「姉ちゃん、用意はいい?」
「いいけど、でも…」
「どうしたんだよ」
「あたし…神風さんを見て平常心で居られるか、分からないよ…」
想像しただけで、鳥肌が立ってくる。
あたしと貞永の関係がバレた時の、神風さんの鋭い視線は、あたしの心に恐怖心を植えつけた。
「思わず不審な行動を取ってしまって、それが神風さんにバレて、あたしだけでなくみんなに迷惑を掛けたら、どうしようって考えてしまうのよ…」
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