その瞬間。




「―――ぎゃああああぁーッ…!!」




あたしの叫び声が、部屋中、いやマンション中に響き渡る事態となった。


叫び声を発した事により、睡眠モードだった脳は完璧に活動を始め、あたしの目の前にある現実を受け入れざるを得なくなる。




「そんな叫び声あげないでよね、アタシ達が悪いみたいじゃない」



「あゆって寝相悪いんだ?髪ボサボサだよ?」



「こんな形で再会するとは思わなかったよ、姉ちゃん」




全く違う三つのハーモニーが、今起きている事を現実としてしっかりと知らせてくれる。


寝起きで形が崩れている髪の毛を手櫛で直しながら、あたしは焦った様子で問いかけた。




「な…なんでココに!?」



「何でって…ねぇ?」




首を傾げながら、あたしの質問をはぐらかそうとする姿に、あたしは何か思惑があるのかと勘付く。




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