小鳥が外で可愛らしく鳴いている、いつもの朝。


朝日が眩しい。

そう目を瞑りながら思ったあたしは、頭まで布団を被り直す。




「あーゆー」




…まだまだ寝ていたいんだから、大きな声であたしの事を呼ばないでよ。




「早く起きなよ」




…そう言われても、瞼が開かないのだから、しょうがないじゃない。




「姉ちゃんって相変わらず鈍いよな。こんだけ喋ってるのに起きないなんて」




…って、今なんて言った?


「姉ちゃん」

この世であたしの事をそう呼ぶのは、たった一人しか居ない。



というか、よく考えれば、あたしは今謹慎処分を喰らっている最中。


誰かの話し声が聞こえるハズは無いのに、今確かに、あたしの耳には誰かの話し声が聞こえてきた訳で。


しかも、聞き覚えのある声のような気がしてならない。



様々な疑問を持ちながら、あたしは重い瞼をゆっくりと上げた。




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