すっかり正気に戻ったあたしは、自分の心に問いかけてみる。
だけど、その答えが返ってくる事は無くて。
あたしは変に冷静な心情で、さっきの暴走を食い止めてくれたモノへと視線を移す。
それを優しい手付きで触ると、ヒンヤリとした感触が神経を通って、あたしの脳を活性化させてくれた。
「何やってんだろ、あたし…」
あたしを救ってくれたのは、鍵。
世界にひとつしかない、貞永があたしの為に用意してくれた、合鍵…。
小さくて、軽くて、何でもないような存在のモノだけど、あたしにはお金よりも自由よりも大事なモノに思えてしょうがない。
「貞永の事、信じるって決めてたのに…」
貞永が日本に帰国して、あたし達の関係がギクシャクしていた時期に、あれ程貞永のあたしへの想いを実感したハズなのに…
あたしは何を考えていたんだろう。
貞永の事を信じると決めたなら、とことん信じてやらなきゃ。
例え、貞永がどう思っていようとも。
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