「許してくれるの、か…?」
「もういいわよ。昔はかなりショックだったけど、今は冬馬という大切な存在が居るから」
「蘭…」
「だから、安心して次の恋に進んで?」
泣き腫らした目でそう懇願した蘭は、どこかスッキリした表情を浮かべていた。
菊池も、ずっと悔やんでいた出来事を、ようやく「過去」のモノとして受け止める事が出来そう。
…よかったね、菊池。
「…ありがとう、蘭」
「どういたしまして、和哉」
笑い合う二人の溝は、まだ残っているかもしれない。
だけど、素直に気持ちを伝えた二人は、ようやくスタートラインに立つ事が出来たんだ。
新しい関係は、これから作っていくモノだよ…菊池に蘭。
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