秘密の★オトナのお勉強②




気持ちを和らげるように一呼吸置いた菊池は、しっかりとした口調で、あたしが疑問に思っていた事を語りだした。




「俺、蘭に最低な事をした日から、ずっと悔やんでた」



「え…?」



「本能のままに取り返しの付かない事をしてしまった自分が、本当に許せなくて。蘭との関係が修復する事のないまま、俺達はお互いの道を進み始めてしまうし」



「………」



「別に蘭との関係をナシにするという考え方もあったけど、どうしても新しい恋に進むという器用な事は、俺には出来なくて」




「だから」と言葉を置いて、菊池は蘭をしっかりと見た。




「俺はマネージャーという存在になって、芸能界に近付こうと思ったんだ。…蘭と再会する為に」
 



やっと、分かった。

菊池がマネージャーを目指していた理由が。




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