秘密の★オトナのお勉強②




「と…うま…?」



「菊池くんがこんなにも蘭と話したいと言ってるんだ。…俺も居るし、話を聞いてあげなよ、蘭」




そうにこやかに微笑みながら、冬馬はゆっくりと蘭の背中を押す。


その反動で少しずつ菊池に近付いていく蘭は、いつの間にか至近距離で菊池と向かい合っていて。




「あ、の…」



「蘭」




しっかりとした口調で、蘭の名前を呼ぶ菊池。


いきなり名前を呼ばれてビクッと身体を震わせた蘭は、菊池と視線を合わせる事のないまま、ひたすら俯いている。




「…そうだよな。蘭は、俺が怖いもんな」



「………」



「だけど、その状態でいい。俺の顔を見ろ、なんて望まないから。…だから少しだけ、俺の話を聞いて欲しい」




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