淡々と会話を進めていく中で、だた一人、蘭だけが状況に着いて行けていない様子だった。
呆然とする蘭をチラ見した菊池は、先程の笑みから一転、真剣な表情へと変化をさせて、冬馬に話しかける。
「あの…少しだけ、蘭と話をさせてもらってもいいッスか?」
「え?」
予想もしない菊池の発言に、思わず蘭の声が辺りに響く。
冬馬はただ黙ったまま、菊池に視線を向けていた。
「二人きりにしろ、なんて言いません。冬馬さんも居て構いません。だから少しだけでいいから…俺に時間をくれませんか?」
…何を伝えたいのだろうか。
蘭や冬馬は、どういう態度を取るのだろうか。
様々な疑問が頭の中を駆け巡る中、菊池の必死な願いを受け取ったのか、冬馬は静かに頷いた。
.

