蘭の隠された秘密。
それは、「好き」という感情が高ぶると、人格が変わってしまうという事。
足を踏んづけられたら元に戻るという、他の人と少し違う性格を持っている蘭。
貞永や今の冬馬に対しての態度を、あたし自身何度もこの目で確認してきた。
「蘭が俺に話をする時、目を合わせなくなった」
「えっと…」
「俯いて、急に女の子らしくなったり」
「それは…」
「顔が赤くなったと思えば、ダッシュでどこかへ逃げていくしね」
「………」
全てを見透かしている冬馬は、的確に蘭の行動を見抜いていた。
そんな冬馬に、最早蘭は返す言葉もなくなる。
「で、確信したんだよ。…俺は蘭に、好意を持たれてる、って」
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