秘密の★オトナのお勉強②




「と…冬馬…、あたし…お酒は…」



「そっか。あゆには前科があるもんね。じゃ、あゆはウーロン茶にしよっと」




…ぜ、前科って。

それはいくらなんでも酷くないですか、冬馬さん。



貞永に無理矢理襲われて、あたし達の関係が危うかった頃に、冬馬と飲みに行った時。


まさかの二日酔いに襲われて、しかも当時の隼人のマネージャーだった伊藤さんに殺されかけたという苦い思い出を持つあたしは、お酒が苦手になっていた。



確かに、あの事件はあたしの不注意から起こった事だけど…

いくらなんでも、あたしを犯罪者みたいに呼ばないでよね。




「冬馬、やっぱり変わってない」



「あゆこそ、その男勝りな所、変わってないね」




ニッコリと爆弾を落としてくる冬馬に、あたしは本気で味噌汁の中にぶち込みたくなってきた。



―――冬馬と里芋の味噌汁。

うん。不味そうだわ。




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