貞永は、あたしの上に乗っかったまま、身動きを取ろうとしない。
ずっと固まって、何かに耐えているように見える。
「貞永…?」
「本当にいいんだな?」
「うん…」
こんな強情なあたしでも、貞永のお陰で素直になれるんだよ。
あたしのココロを動かすのは、ただひとり。
貞永しかいないよ―――
「…分かった。でも、もう手加減しねぇからな?」
あたしの言葉がストレートに効き過ぎたのか、貞永は我慢する仕草をやめ、自分の着ている服を脱ぎ始めた。
いよいよ情事が始まる事を感じ取って、あたしの身体は緊張により、少しだけ固くなっていく。
そんな身体の変化に気付いた貞永は、あたしの髪の毛にそっとキスを落とした。
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