そんなあたしの胸中を知る由も無い猛は、乱れた襟元を直しながら、深く深呼吸を繰り返していた。
…どんだけあたしの揺さぶりが怖かったのよ。
仮にもあたしは女なのに。
「姉ちゃん…俺一瞬三途の川が見えた…」
「冗談は後でいいから。で、今日はどうしたの?」
猛の言葉を気にしないまま、あたしは冬馬や隼人に目を移す。
冬馬はニコニコしながら、メニュー表を眺めている。
…隣に居る顔を赤らめた蘭も、一緒に視界に入ってきたけど。
隼人はどうやらメールを打っているみたいだった。
「今日集まったのは、このメンバーで集まりたいと思ったから」
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