秘密の★オトナのお勉強②




ドクドクと心臓が煩い。


…この感覚、凄く似てる。

貞永がハリウッドに旅立つ事を知らされた、あの日と同じだ。



という事は…

また、何かがあたし達の周りで起こるって事…?



そう思わざるを得ない程、あたしの心は不安で覆われていく。




「―――あ、そうなんですか」




本当は、聞きたくない。

電話越しに小西さんと会話する、貞永の声を。


大抵の場合、ケータイでの会話を聞いていると、どんな内容を話しているのかくらいは、嫌でも分かってしまう。



分かりたくなかったから。

だから、今は貞永の声を聞きたくない―――



そう心に願った瞬間、




「…え?」




貞永の困惑に満ち溢れた声が、車内中に響き渡った。




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