「は…?」
車内に、貞永の疑問の声がこだまする。
顔をしかめている貞永をよそに、あたしははっきりと宣言してやった。
「今日の夜から、貞永のマンションで料理の大特訓するから!」
「でも、さっきは事前に練習出来ないって言ってなかったか?」
「そうだけど、何も作れないよりかは、少しでもレシピを覚えておいた方がいいでしょ?」
こうなったのも、全て貞永が原因。
しっかりと責任取って貰うから!
そう自分の心に決めた瞬間、急に無機質な着信音が車の中に流れ始めた。
それは、後部座席に置いてあった、あたしのカバンから流れているモノ。
…少しだけ、嫌な予感がした。
.

