疑問に思いながらも、あたしは蘭を連れて指定された居酒屋へと向かう。


車を運転するあたしの横で、蘭は少々ふて腐れ気味。




「折角仕事が早く終わったっていうのに、なんでアタシも呼び出されてるのよ!」



「それは猛に聞いて下さい」




女王様のイライラが高まっていくのを感じながら、あたしはアクセルを踏み続けていた。



…どうも引っかかる。

急に、あたしと蘭を呼び出した事が。




「…一体何なんだろうね、蘭」



「知ったこっちゃ無いわよ!もうアタシ寝るから!着いたら起こしてね」




イライラが頂点に達したのか、蘭は助手席で睡眠を取り始めた。



そうだよね。

こう見えても蘭は人気女優なんだから、疲れているのも当然よね。



隣で発せられる寝息を聞きながら、あたしは居酒屋へと急いだ。




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