焦る気持ちとは裏腹に、完全に距離が無くなったあたし達。


貞永はヒョイッとあたしの身体を持ち上げると、優しい手付きでベッドへと運ぶ。




「俺さ、二年前にお前を無理矢理襲った事あんだろ?」




その言葉で、あたしの記憶は一気に蘇る。



そうだ。

あたしと隼人の関係にヤキモチを妬いた貞永は、二年前、あたしを無理矢理犯そうとしたんだった。




「もうあんな怖い思いはさせねぇ。だから…」



「だから…?」



「…あゆの全てを、俺に下さい」




その言葉を聞いた瞬間、自然と涙が流れた。


急いで目を瞑ると、追いかけるように、貞永の唇があたしのまぶたに触れる。



…言葉で言い表せない程に、幸せだ。


好きなヒトと触れ合うって、こんなに心が満たされるんだ。




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