さよならの言葉の代わりに大きく手を振ると、あたしは二人の姿を視界から外し、前を向いて足を進めた。
あのまま、お父さんとお母さんの姿を見ていたら、きっとあたしはダメになっていた。
涙が溢れて、決心が鈍っていただろう。
「強くならなきゃ…あたし自身を見て貰う為に」
全寮制の高校への道を決めたのは、誰でもないあたし自身であり、これからの道も全てあたしが決めるモノ。
いつまでも頼ってばかりではダメ。自分で足掻かなければ。
「大きくなって、帰ってきます」
桜が舞う中、あたしはそう誓った。
―――いつか、純粋にお父さんとお母さんの子供でよかったと、そう感じられるようになる、その日まで。
待っててね、二人とも。
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