食器類が拝借されているような音が響き、冷蔵庫が閉められる音が聞こえ、完全にくつろいでいるとしか思えない。
ここまで度胸がある泥棒…初めて見たかも。
むしろ、泥棒の存在自体が初めて。
アワアワと慌て出すあたしをよそに、お父さんは面倒臭そうにリビングのドアを開けた。
その瞬間、家中を拝借していた泥棒の動きが止まる。
…いや。
「泥棒」なんかじゃなかった。
「あのなぁ…人ン家で勝手に食料漁るんじゃねぇよ。しかも優雅にカップラーメン食ってんじゃねぇ!」
「だってなぁ、久々に此処に来たら誰も居らんねんで?お客様悲しいわぁ…」
「だーれがお客だアホ!お前を招いた覚えはねぇよ隼人!」
…リビングにあるソファーに座って、熱々のカップラーメンを頬張っているその人の名は、「隼人」さん。
お父さんと同じ俳優であり、これまたイケメンの部類に入る人。
俳優の仕事をしている時は標準語なんだけど、プライベートモードの時は関西弁になる、少し変わったお父さんとお母さんの友達。
ちなみにお父さん曰く、「出身は関東方面」。
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