「何だ、灯りがつくならここで足止めされる必要なかったのに」

気に入らなげにハルカが言う。

「まぁいいじゃないか。俺達にとっては電気が供給された方が有り難い。この分ならガスや水道も供給が回復しているかも…」

そこまで言いかけて、俺は言い知れぬ不安に襲われる。

ガスや水道の供給も回復?

さっきハルカがガスコンロを捻っていた姿を思い起こす。

まさか…。

「き、恭一?」

俺はハルカをその場に残し、慌てて先程のレストランの厨房に戻った。

「っ…」

厨房内に入った途端に鼻をつく、ガスの臭い。

やはり、ガスコンロからガスが噴出していた!