直ちゃんは何も言わずに微笑んだ。 あの頃と変わらない、美紀の心が安らぐ笑顔。 怖そうな外見とは正反対で、きっとこの人なら何からも美紀を守ってくれる。 ねぇ、直ちゃん。 ずっと美紀のそばにいてよ。 いつのまにか周りにいたたくさんの人がいなくなっていた。 みんな校舎をバックに写真を撮るのに必死みたい。 遠くの方で直ちゃんと写真を撮ろうと狙っている女子が見えた。 今しかない!! 「直ちゃん…。」 「ん?」 「美紀を…、美紀をお嫁さんにして下さい!!」