騒々しい校庭。 必死になって首をのばす。 あぁ。なんで美紀の背はもっと伸びないんだろう。 だけど、その中でも一際目立つ存在。 いた!! 学ランの襟元から覗く真っ赤なパーカー。 ツンツンと立てられた茶色い髪。 「直ちゃん!!」 大好きなあの人が笑顔で振り向く。 「あれ?美紀ちゃん。わざわざ来たの!? お前ら修了式は午後からなんだろ?」 「うん。だけど直ちゃんにお祝い言いたかったんだもん。」 胸元についているリボン。 大きな手に握られた長い筒。 「卒業おめでとう。」