約束したのに。 すっごい楽しみだったのに。 浴衣も買ったのに。 「わかった。」 小さく呟いた。 唇が尖るのが自分でもわかる。 そのままケータイの電話帳を検索する。 「もしもし?恭ちゃ~ん? 美紀もね、行きたかったの。花火大会。 うん。わかったぁ。 楽しみにしてるね!!」 ケータイを閉じたら重苦しい沈黙が広がった。 「男?」 一瞬、それが美紀に対して発せられていると気づかなかった。 「美紀にだってデートする相手くらいいるもん。」 直ちゃん、今なにを考えてる?