出勤の早い両親が、寝室に戻り
三人で、後片付けをする。

「エリス、明日、学校は?」

彼女は、朝が弱い。

「明日は一限目からよ。
お姉ちゃん、ランチ作って」

本当は、そのつもりだけど。

「いつまでも、
私を頼っちゃダメよ。」

「だって、起きられないん
だもん。」

可愛く拗ねる。

「じゃ、お兄さんに
作ってもらいなさい。」

食器を棚に納めながら
中々の名案を思い付く。

「あディオナってば、
ナイスじゃん」

妹が、ジェイドの方に
悪戯な視線を送る。

「え?!俺っ?!」

「妹の世話をする事も、
大切よ。お兄さん。」

うまいこと言うじゃない。

「・・何時に行くわけ?」

ちょっと困った風に、
聞いているジェイドが
新鮮だ。

「8時には出なくっちゃ」

「ダメ。無理。間に合わない。」

彼は、お手上げだという
ジェスチャーをする。

「エリス。明日は、
私が作ってあげるから。
許してあげなさい。
二人とも、先に休んで。
もうすぐ、片付くから。」

時計の針を確認して
部屋に戻るよう促した。