「あんたにだけは、
言われたくないっ」

「自分の事、ホント、
分かってないよな。おまえ。」

「分かっててヤルより
マシだわよ」

ジェイドと、久々の口論が
始まってしまう。


と、

眩しい光を感じ
一瞬、まぶたを強く閉じた後
二人でそちらを見る。


カメラのフラッシューーー

脳天気そうに、幾枚も
シャッターを切る父がいた。

私たちの素顔が撮られる。

「昨日、掃除してたら、
カメラが出てきたんだ。
フィルムも、ほら。
ここに置いておくから、
好きな時に撮りなさい。」

そういって、新品のフィルムと
カメラを、かごに入れて
ピアノの上に置いた。

相当数があるフィルム

いまどき、デジカメじゃなくて
カメラだなんて・・・

新しいフィルムに
交換するついでに、
製造年を確認した。

・・・やっぱりだ。

最近、買ったモノ。

父が用意したんだとわかった。

お父さんは、こう言うことを
サラっとやってのける人だ。

もしかしたら、
知ってるのだろうか?


彼が、両親を知らない人だと
言うことを。