「ジェスは・・・

ここにいるほうが
のびやかに、
自然に見える。」

顔色を伺いながらも、
そういえば
彼は、数度首を縦に振り
肯定する。

「格好つけてた訳じゃ
ないけど。

『ジェイド』じゃ、なくても
誰も俺を否定しない。

『ジェイド』じゃ、なくても
存在を許してくれる・・・。」


彼は、もしかしたら、
ずっと、居場所をさがして
いたのかもしれない。

今日一日の彼の言動を
思い返すと、
喉の奥が、ツンとした。

だけど、この涙は、
流すわけには
いかない。

これは、私の主観で、
作り上げた・・・・
嫌な言い方をすれば
勝手な同情であったり
するものだ。

彼の主観ではない。

洗い流してしまいたかった。