crystal love

「私も、ちょっと挨拶してくるかな。」

立ち上がり、扉に手をかけ
思う所があり、振り返る。


「ジェイドは、どうする?」


「もちろん、行くよ。」

同じく立ち上がった彼が
やってくるのを待っていれば
おもむろに、父に呼ばれる。


「ディオナ。」

「ん?」

短く、続きを促せば

「家の中では、
ちゃんと『ジェス』と
呼びなさい。」

父の、有無を言わせぬ一言に
戸惑い気味にイエスと述べ
何気なく、彼を見上げれば


彼は、幸せそうで。


見てる自分の方が
泣きそうになった。