crystal love

「きっと、貴女が
教えているからね。
言い回しが、そっくりなの。
本当の息子みたいよ。」

母が目を細めて、
ジェイドを見つめる。

ホント、向こうに居るときと
別人かと思う程、
彼は、穏やかだ。

「悪い事したら、
叱ってやってね。」

まさか、しないとは
思うけど・・・

やんちゃな弟を持つ
姉の気分で言ってみる。

「もちろんよ。
ジェスとエリスったら、
二人揃うとイタズラするのよ。
昨日だって、
冷蔵庫のホルダーに、
トリック卵をしかけたのよっ」

ああ・・・
母が引っ掛かる模様が
目に浮かぶわよ。

・・・ちょっと
見たかったわね。

そう思ったら、吹き出した。

しっかし、あの
歩く地雷みたいな子が
こうも大人しいなんて。

素直というか、
気負いがないというべきか。

「あ、そういえば、エリスは?」

『姉ベッタリ』な、妹が
現れない事に気づく。

「ハリーとデートよ。
もうすぐ、二人とも来るわ。
貴女とジェスに、彼を
会わせるんだって、
それは楽しそうに出掛けたわ。」

母が思いだし笑いをした。