「君みたいに、セレブを
知っていれば、直ぐに飽きるよ。
こんな取り柄のない
オンナなんて。」
いまだけ熱くなってるだけだと、
失笑するオトコに、
ジェイドは、口を開いた。
「アンタに魅力を感じる女は、
もういないだろうけど、
ディオナを想う男は、居る。
コイツは、いつだって
前を向いて生きてる。
自分を悔いたって、
アンタを恨みもせずにね。」
あの人が、ハッとした
表情をみせた。
何となく、もう、彼は二度と
私に自ら近づいたりしないって
そう思った。
警備員が騒ぎを察知して
駆け寄ってきて、アノ人は
またもや、当事者じゃないって
そぶりで足早に立ち去っていく。
本当に、若い日の私は
男を見る目がなかったのだと
痛感してしまう。
・・・口から出まかせな
庇い方をしてくれた部分も
なきにしもあらずだけど。
私の手首のキズの具合を
必死になって診ている
ジェイドに
いまは、素直に
感謝している。
ありがとうーーーー
ジェイドーーーーー



