「お前、相当、
あったま悪ぃなあ。
全部、自分で確認したいんだよ。
監督の指示内容を。」


・・・前半は、
ぶっ殺してやりたい
内容だけど・・・

・・・結構、真面目に
仕事には取り組んでる訳ね。


彼の許可をもって
台本を簡単にめくる。

なんか
難しいんだけど・・・

複雑なテーマっぽくない?


古典だし。


「向こうに住んでれば、
何とか聞くような、
コトバも入ってるけど・・・」

それも、討論会とか、
古典文学の世界とか
若干特殊な番組で。

ここじゃあ、
厳しいわよね。

この人も、何で
こんな本格的な映画に、
出ようとするかな。

外見を活かしたメロドラマにでも
しておけばいいのに。

・・・どっちにしても、私、
ドラマってみないのよね。


そんな思考を破ったのは、
またしてもジェイドのコトバで。

「ああ、いいぜ。
住めば何とかなんだろ?
お前、俺んち、来いよ。」

「こっちで、一緒に住んだって
仕方ないでしょう?!
エレナにすめばって、
話よ、それも仮定。」

頭の痛い奴め・・・

「名案じゃね?
一緒に住む、な。
そんだけ、時間あれば
流石に、お前でも、
一般常識くらいは、
完璧にしてくれるだろ?」

・・・全くヒトの話を
聞いてないな。

このオトコ・・・

「貴方の要望は、
私には荷が重い。
多分、応えられない。

あなたのレベルにあった
講師の選考を、上申しておくから
とりあえず、授業やるわよ。」

コイツには、
軽すぎるわよね。

確かに、このテキストじゃ。

このコマを、有効な時間に
してあげるには・・・

出来る事を考えていたとき。


「じゃあ、さ、
これ、訳してよ。ディオナ。
答え合わせしたいから。」


そういって、ジェイドは、
レコーダの再生ボタンを
押した。