crystal love

エレナに到着後、
入国審査を受ける。

人待ちの列にすら、
イライラする。

人に振り回されるのは
元来嫌いだが、
あのオトコが、すんなり
電話での交渉などに
応じる訳はないのだ。

入国管理局のあるゲートで
手続きを終えれば、
そこから、空港の本館へ
バスで移動する事になる。

そこで、ジェイドが
待っているからと、
ボスの代わりに、空港まで
送ってくれた車の中で
ロバートが言っていた。

可哀相なほど
ジェイドの我が儘を
詫びていた。


バス停に移動すれば、
本館行きのバスが既に
到着していた。
座席は、満席となっており
私は、通路に立ち、
吊り革に手をかけた。


そうすると、直ぐに
チッ……と、いう
舌打ちの音がして
そちらの方をみやった。



・・・何で・・・?

最悪・・・

また、出くわしたじゃん・・・



あの日、パーティーで
派手にやりあったアノ男と
ここで、また出会うって・・・

勘弁してよ・・・


男に背中を向けて立ち、
左手をポケットへ入れた。

もしかしたら、エアラインも
一緒だったのかもしれない。

ジェイドは、一人で
ここへ来るんだろうか?

もし、両親が一緒だったら……