そのまま、歯切れのわるい
ボスに誘われ、ランチに
出向いたわけだけど。


何気にセレブで、スマートな
ボスのこと、私達講師じゃ、
かなり敷居の高い、洒落た
レストランに連れて来てくれた
というのに・・・



「はいっ?!」

そこで聞かされた内容に、
雰囲気に到底合わないような、
奇声をあげかけ、何とかグッと
我慢する。

「すっ・・・すいません。」

何とか平静を保ち、
謝る私を彼は咎めなかった。
それどころか、同情してくれた。

「イヤ、いいんだ。
驚くのは当然だ。
私も昨日、彼に言われた時には
派手にビールをこぼしたから。」

そういって。

しかし、だ。

「何で、私が、彼と一緒に
帰国しなきゃダメなのよ
何考えてんのよ」

あのボーズ

「ああ・・・っと。
二週間でいいんだ。

頼めないだろうか?ディオナ。
旅費はジェイドが、
だすっていってるし・・・」

「そんな事くらい、
自分で出来ます
お断りです
私には、私の都合があるんです
ボスが言いにくのなら、
私、自分で断りますから!」

何で、私が、
ジェイドと一緒に、
母国へ語学研修の旅に
でなきゃなんないのよ?!

「わかった。ディオナ、
怒らないでくれ。」

ボスは完全に頭を抱えている。

ジェイドは、強引な所があるから
きっと抑え切れなかったんだろう。

困ったオコサマなんだから。