同僚と朝の挨拶を交わし、
タイムカードを打刻する。

注ぎたてのコーヒーカップを片手に、
当日の授業の準備を整えるのが、
日課となっている。


「ハロー。ディオナ。」

レセプションの美人嬢が、
フリータイム受講者の
予約表を持って、
恐ろしく高いヒールを
カツカツ鳴らしやってくる。

「ハロー。予約?」

「あたり。ディオナご指名。」

私、指名・・・
それにしても誰だろ?

顔に、疑問が
現れていたのだろうか?
尋ねる前に、告げられた。

「ジェイドよ。」

気の毒そうな表情で。



「・・・・」



キャアアアー



顔面が硬直した。


あの、クソモデル・・・


「ああ・・・ディオナ
ドンマイ。」

「お気の毒に・・・
頑張ってね。」


同僚達に慰めの言葉も
スルーする。

絶対、いびられる。


間違いなく、
いちびられる。


やっぱ、前回の事

根にもってて
報復するつもりなんだ。


涙ぐみかけたとき、
退室したはずの受付嬢が
戻ってきた。

「そうそう、エレナ語講師に、
ジェイドから伝言。
講師がコロコロ替わるのは、
どうかと思う・・だって。」